日本版WAIS-IVのFSIQ・4指標・GAI・CPI
日本版WAIS-IVの結果には、検査全体をまとめたFSIQ、領域別のVCI・PRI・WMI・PSIがあります。GAIとCPIは、同じ10の基本検査を別のまとまりで見る補助的な合成得点です。
| 得点 | 意味 |
|---|---|
| FSIQ(全検査IQ) | 検査全体を横断した全般的な知的能力 |
| VCI(言語理解) | 言葉の知識、概念形成、言語推理 |
| PRI(知覚推理) | 視空間処理と流動性推理 |
| WMI(ワーキングメモリー) | 主に聴覚情報の保持・操作 |
| PSI(処理速度) | 視覚情報を速く正確に処理する力 |
| GAI(一般知的能力指標) | VCI・PRIを中心にまとめた一般能力 |
| CPI(認知熟達度指標) | WMI・PSIを中心にまとめた認知熟達度 |
これらの得点はいずれも平均100、標準偏差15の尺度で示されます。
FSIQが表す全体的な知的能力
FSIQは、VCI・PRI・WMI・PSIにまたがる10の基本検査から算出されます。4つの指標得点の単純平均ではなく、幅広い課題を通じた全般的な知的能力の水準です。詳しい構成はFSIQとはで説明しています。
言語理解(VCI)が表す言葉の知識・概念形成・言語推理
VCIの基本検査は、類似・単語・知識です。身につけた言葉や一般知識を呼び出し、共通概念や関係を見つけ、言葉で説明する力が表れます。関連する認知能力は言語理解・結晶性知能(Gc)で詳しく扱っています。
知覚推理(PRI)が表す視空間処理・流動性推理
PRIの基本検査は、積木模様・行列推理・パズルです。形や配置を分析して組み立てる視空間処理と、初めて見る図形の関係や規則を見抜く流動性推理が表れます。この二つは視空間処理(Gv)と流動性推理(Gf)で詳しく説明しています。
ワーキングメモリー(WMI)が表す聴覚的保持・操作
WMIの基本検査は、数唱・算数です。主に耳から入った情報を短時間保ち、順序を変えたり、途中結果を維持したりする力が表れます。算数では量的知識や計算も使います。ワーキングメモリー全体の働きはワーキングメモリ(Gwm)で扱っています。
処理速度(PSI)が表す視覚探索・照合・書字速度
PSIの基本検査は、記号探し・符号です。単純な視覚情報を探して照合し、制限時間内に速く正確に反応する力が表れ、符号では書字の速さも関わります。複雑な問題を考える速さまで含む得点ではありません。広い意味での処理速度は処理速度(Gs)で説明しています。
GAIとCPIの意味
GAIはVCI・PRIの6基本検査、CPIはWMI・PSIの4基本検査をまとめた得点です。FSIQから何かを引いた値ではなく、それぞれの基本検査から別に算出します。FSIQとの使い分けや得点差はGAIとCPIの違いで詳しく扱っています。
WAIS-5ではPRIがVSIとFRIに分かれた
米国版WAIS-5では、WAIS-IVのPRI(知覚推理)がVSI(視空間)とFRI(流動推理)に分かれ、主要指標はVCI・VSI・FRI・WMI・PSIの5つになりました。WAIS-IVでは一つにまとめられていた視空間処理と流動性推理を、別々の指標として確認できます。詳しい変更はWAIS-IVとWAIS-5の違い、5指標とCHC能力の対応はCHC理論とWAISの関係で説明しています。