符号では数字に対応する記号を書き込む
WAIS-IVの「符号」は、数字と記号の対応表を見ながら、並んだ数字の下へ対応する記号を書き込んでいく課題です。同じ作業を2分間繰り返し、速さと正確さを測ります。
日本版WAIS-IVでは、「符号」は「記号探し」とともに処理速度指標(PSI)を構成する基本検査です。対応表を探す視線の動き、数字と記号の照合、手で記号を再現する動きが途切れず続くところに、この課題の特徴があります。
2分間の正答数を年齢別の評価点に換算する
粗点になるのは、2分間に正しく書けた記号の数です。多く進んでも誤記は正答に含まれないため、対応を正確に確認しながら筆記を続ける必要があります。
粗点は年齢別の基準で評価点へ換算されます。結果の高低は、同じ年齢層と比べて、対応表の確認から記号を書くまでの一連の作業をどれだけ速く正確に進められたかを表します。
視覚探索・照合・筆記が中心で、連合学習も関わる
符号では、次の処理を短い間隔で繰り返します。
- 作業欄の数字を確認する
- 対応表から同じ数字を探す
- 数字に対応する記号を見分ける
- 記号の形を保って正確に書く
- 書き終えたら次の数字へ移る
得点へ強く表れるのは、対応表と作業欄を往復する視覚探索、数字と記号の照合、細かな筆記の速さです。繰り返すうちに対応の一部を覚える連合学習も関わりますが、中心は「見つける・照合する・書く」を速く回すことです。
符号の得点が高い・低い場合
得点が高い場合は、対応表から必要な記号を素早く見つけ、正しい形で書き、次の項目へ滑らかに移ることが得意です。
得点が低い場合は、対応表を探す、数字と記号を照合する、細かな形を正確に書く、誤記を確認して直す、という工程のどこかで時間を使っています。筆記が遅い人や手の動かしにくさがある人では、その影響が記号探しより強く得点へ表れます。仕事や学習での具体的な負荷は、処理速度が低い人の特徴で説明しています。
記号探しより符号が明確に低いなら、視覚探索だけでなく、記号の再現や対応の学習まで含む作業に負荷があります。反対に符号より記号探しが低いなら、筆記よりも、複数の記号から一致の有無を判断する工程に負荷が表れています。得点差はWAIS結果の見方に沿って、ほかの下位検査得点との関係から読みます。
記号探し・絵の抹消との違い
| 下位検査 | 直接求められること | 特に強く関わる処理 |
|---|---|---|
| 符号 | 数字に対応する記号を書き続ける | 対応表の探索・照合、記号の筆記、連合学習 |
| 記号探し | 見本が小さな記号群にあるかを判断する | 局所的な視覚探索、形の照合、有無の判断 |
| 絵の抹消 | 広い図形配列から標的を探して印を付ける | 広い範囲の探索、選択的注意、妨害刺激への非反応 |
記号探しは紙面へ簡単な反応を示しますが、符号のように記号自体を描きません。絵の抹消では対応表を何度も参照せず、同じ標的条件に合う図形を広い配列から探し続けます。
BrainTypeIQの記号探索との違い
BrainTypeIQの記号探索は、2つの見本と5つの探索記号を見比べ、一致の有無を画面上で選ぶ課題です。数字と記号の対応表は使わず、記号を書く作業もありません。
そのため、BrainTypeIQの課題は符号よりWAIS-IVの記号探しに近く、視覚探索・照合・判断を中心に処理速度(Gs)を測定します。