パズルでは6個の候補から完成形を作る3個を選ぶ
WAIS-IVの「パズル」は、見本となる完成図形と6個のパーツ候補を見て、組み合わせると完成形になる3個を制限時間内に選ぶ課題です。パーツを実際に動かしたり、試しに置いたりすることはできません。選んだ形がどうつながるかを頭の中で確かめます。
日本版WAIS-IVでは、「積木模様」「行列推理」とともに知覚推理指標(PRI)を構成する基本検査です。
全体と部分の把握・心的回転・形状統合
正しい3個を選ぶまでには、次の処理が重なります。
- 完成形を、どのような部分に分けられるか捉える
- 候補の輪郭、辺、角を完成形と照合する
- 候補を頭の中で回転させ、向きを合わせる
- 3個をつないだ外側の輪郭を想像する
- 隙間やはみ出しがなく、完成形と一致するか確かめる
接合面の線は完成後には見えなくなるため、内側の境界を消し、一つの外形として捉え直す必要があります。
パズルの得点が高い・低い場合
得点が高い場合は、同年齢と比べて、完成形を部分へ分け、形の向きを頭の中で変え、複数の部分を正確に統合することが得意です。実物を試し置きできなくても、完成後の輪郭を予測して不要な候補を除きやすいといえます。
得点が低い場合は、全体から必要な部分を切り分ける、候補を回転させる、3個の形を同時に扱う、つないだ輪郭を完成形と照合する、という処理のどこかで負荷が上がっています。時間内に選ぶ必要があるため、正しい組み合わせへ到達できても、判断に時間がかかると得点へ影響します。
パズルが積木模様より明確に高いなら、実物を素早く操作して再構成することより、頭の中だけで形を合成することが相対的な強みです。行列推理より高いなら、図形の並びから規則を見つけることより、形そのものを分解・統合する課題が得意なプロフィールです。得点差の読み方はWAIS結果の見方で説明しています。
積木模様・行列推理との違い
| 下位検査 | 直接求められること | 中心となる処理 | 実物の手操作 |
|---|---|---|---|
| パズル | 完成形を作る3個のパーツを選ぶ | 形の分解・心的回転・形状統合 | ない |
| 積木模様 | 見本と同じ模様を積木で作る | 見本の分解と実物での再構成 | ある |
| 行列推理 | 行列や系列の欠けた部分を選ぶ | 図形間の変化・配置・対応規則を見つける | ない |
BrainTypeIQの合成パズルとの共通点
BrainTypeIQの合成パズルも、完成形を再現できるパーツを選ぶ視空間処理(Gv)の課題です。パーツを実際に動かさず、全体と部分の対応を捉え、向きを変えた形を頭の中で統合します。