積木模様では見本と同じ模様を積木で作る
WAIS-IVの「積木模様」は、提示された見本と同じ模様を、赤・白・赤白の面を持つ積木で再構成する課題です。見本を眺めて答えを選ぶのではなく、必要な面と向きを見つけ、実際に積木を置いて完成させます。
日本版WAIS-IVでは、「行列推理」「パズル」とともに知覚推理指標(PRI)を構成する基本検査です。完成図を部分へ分け、各部分を積木の面へ対応させ、位置関係を保って全体へ戻すところが課題の中心です。
正しく完成したかが基本で、一部は時間も得点に反映される
積木模様では、見本どおりに正しく完成できたことが得点の前提です。速く置いても、模様が間違っていれば得点にはなりません。
一部の問題では、正しく完成したうえで、完成までの時間が得点へ反映されます。そのため同じ正解でも、正確に速く作れた場合に高い成績になることがあります。時間加点を除いた成績を見る「積木模様:時間割増なし」というプロセス得点もあり、完成の正確さと速度の影響を分けて考える手がかりになります。
時間が関わる検査ですが、積木模様は処理速度指標(PSI)ではなく、知覚推理指標(PRI)の検査です。速さだけではなく、見本を分析して正しく再構成する力が中心にあります。
積木模様では見本の分解・向き合わせ・手の操作を使う
積木模様を完成させるまでには、次の処理が必要です。
- 見本の全体形、色、境界を見る
- 模様を積木に対応する部分へ分ける
- 必要な積木面と向きを選ぶ
- 部分どうしの位置関係を保って配置する
- 作った模様を見本と照合し、必要なら修正する
- 積木を選び、回し、置く手の操作を正確に行う
頭の中で形を扱うだけでなく、実物の積木を操作する点が積木模様の大きな特徴です。視覚分析、空間構成、手の操作は別々の評価点ではなく、一つの積木模様得点にまとめて反映されます。
積木模様の得点が高い・低い場合
得点が高い場合は、同年齢と比べて、複雑な見本を部分へ分け、色・境界・向きを積木へ対応させ、実物で正確かつ素早く再構成することが得意です。
得点が低い場合は、見本どおりに作ったときに誤配置が増えた、または正しく完成するまでに時間がかかったことを示します。背景を考える軸は、模様の分解、部分と全体の対応、面の向き合わせ、配置関係の保持、照合と修正、手の操作、完成速度です。
積木模様だけがパズルより明確に低い場合は、頭の中で形を合成することより、実物の構成、手の操作、時間加点を含む条件で負荷が上がった可能性があります。積木模様とパズルが行列推理より明確に低い場合は、形の分解・合成が、図形の規則発見より負荷になりやすいプロフィールです。結果全体の読み順はWAIS結果の見方で確認できます。
パズル・行列推理との違い
三つとも知覚推理指標に含まれますが、課題で直接求められることが違います。
| 下位検査 | 直接求められること | 中心となる処理 | 実物の手操作 |
|---|---|---|---|
| 積木模様 | 見本と同じ模様を積木で作る | 完成図の分析、部分への分解、実物での再構成 | ある |
| パズル | 完成形を作れる複数のパーツを選ぶ | 部品の回転・合成を頭の中で行う | ない |
| 行列推理 | 行列や系列の欠けた部分を選ぶ | 図形間の変化・配置・対応規則を見つける | ない |
積木模様とパズルの最大の違いは、実物を手で組み立てるか、頭の中だけで部品を合成するかです。行列推理は完成見本を再現するのではなく、図形の並びから規則を発見します。
BrainTypeIQの紙折りと共通する視空間処理
BrainTypeIQの紙折りは、紙を折って穴を開け、広げたときの位置と向きを頭の中で予測する課題です。
積木模様が静止した見本を実物で再構成するのに対し、紙折りは折り返しの変化を順に追い、展開後の配置を選びます。課題形式は異なりますが、形・向き・配置を分析し、空間関係を変換する視空間処理が共通しています。