行列推理は図形の並びから規則を見つける課題
WAIS-IVの「行列推理」は、一定の関係で並んだ図形を見て、欠けた部分に入る図形を選択肢から選ぶ課題です。見た目が似た図形を探すのではなく、すでに見えている図形どうしの関係を推理し、同じ規則を満たす答えを選びます。
問題は3×3の行列だけでなく、図形が順に並ぶ系列も含みます。日本版WAIS-IVでは、「積木模様」「パズル」とともに知覚推理指標(PRI)を構成する基本検査です。
行列推理の得点に表れる力
得点が高い場合は、複数の例を見て、何が共通し、何が一定の方向へ変化しているかを見抜き、その規則をまだ見えていない部分へ適用する力が強みとして表れています。説明が十分にない新しい仕組みでも、いくつかの事例から動き方をつかむ場面に近い処理です。
得点が低い場合は、目立つ一つの特徴だけで判断する、縦と横の規則を同時に扱いにくい、考えた規則が他の部分にも成り立つか確かめにくい、といった形があります。個々の図形は見えていても、複数の例を通じた共通ルールを作る段階で負荷がかかりやすいと読めます。
「パズル」より行列推理が目立って低い場合は、形を頭の中で分解・合成することより、複数の事例から変化規則を見つける場面で負荷がかかりやすいと考えられます。「バランス」より行列推理が目立って低い場合は、示された等価関係を使うことより、規則自体を発見する形式で時間を使いやすいと読めます。結果全体の読み方はWAIS結果の見方で説明しています。
パズル・バランスとの違い
| 下位検査 | 直接求められること | 中心となる推理 |
|---|---|---|
| 行列推理 | 行列や系列の欠けた部分を選ぶ | 図形間の変化・配置・対応規則を見つける |
| パズル | 完成形を作れる複数の部分を選ぶ | 形を頭の中で分解・回転・合成する |
| バランス | 天秤を釣り合わせる重りを選ぶ | 数量的な等価関係を導く |
BrainTypeIQの行列推理との共通点と違い
BrainTypeIQの行列推理も、図形の形、向き、位置、個数から規則を見抜き、条件に当てはまる選択肢を選びます。初見の図形からパターンを発見する流動性推理を見ている点で、WAIS-IVの行列推理と重なります。
BrainTypeIQでは、行列推理を天秤推理と組み合わせ、規則を発見する力と、示された関係から答えを導く力の両方から流動性推理を捉えます。