知覚推理が低い人に表れやすい特徴
知覚推理(PRI)が低いときに表れやすい特徴は、大きく「形や配置を組み立てる負荷」と「図から規則を見つける負荷」に分かれます。
- 図形の向きが変わると、同じ形だと判断するまで時間がかかる
- 部分を組み合わせた完成形を頭の中で作りにくい
- 見本と作業中の状態を見比べる間に、対応関係を見失う
- 言葉で説明されていない規則を、複数の図から見つけにくい
- 規則の候補が増えると、どれを検証したか分からなくなる
負荷が上がりやすいのは、図を見ること自体より、向き・位置・部分と全体・規則の候補を頭の中で保持し、変換し、推測する場面です。向きをそろえる、関係名を書き込む、途中状態を残す、実物を動かすといった条件に変えると、同じ課題でも進めやすくなります。
PRIが低いときは「形・配置」と「規則発見」を分けて見る
日本版WAIS-IVの知覚推理指標(PRI)は、積木模様・行列推理・パズルの3つの基本検査から作られます。ただし、この3つは同じ処理を測っているわけではありません。
前者は視空間処理(Gv)、後者は流動性推理(Gf)を強く使います。したがって、PRIが低かったときは一つの「非言語能力」としてまとめず、形や配置を扱うときと、規則を発見するときのどちらで負荷が大きかったかを見ます。
これは、日本版WAIS-IVのPRIから二つの得点を独自に計算するという意味ではありません。下位検査の違いを、負荷の種類と対策を見分ける材料にします。米国版WAIS-5ではこの二つが別の主要指標になっています。版による構成の違いはWAIS-IVとWAIS-5の違いで説明しています。
BrainTypeIQでは、流動性推理と視空間処理を別々に確認できます。形や配置と、規則発見のどちらが相対的に低いかを見て、先に試す対策を決められます。
困りやすい場面と、負荷を下げる方法
対策の共通点は、頭の中で扱っている関係・途中状態・操作順を、言葉、手順、実物、書き込みへ移すことです。
| 負荷の種類 | 仕事・学習で表れやすい場面 | 負荷を下げる方法 |
|---|---|---|
| 向き・位置 | 仕事の図面と実物、学習の展開図や別角度の図を対応づける | 紙や実物を回し、基準方向と上下左右を矢印で書く |
| 部分と全体 | 完成図から組み立てる、立体や断面を考える | 部品を仮置きし、完成形の輪郭と途中状態を残す |
| 見本との照合 | 見本と作業中の状態を何度も見比べる | 二つを横に並べ、対応箇所へ同じ番号を付ける |
| 暗黙の規則 | 複数の図や図表から共通する規則を探す | 規則の候補を短く書き、一つずつ検証して消す |
| 複数の操作 | 組み立てや図の読み取りを何工程も続ける | 1工程1行の手順にし、終えた操作へ印を付ける |
言葉を使うときは、長い説明を足すのではなく、「左端」「時計回り90度」「赤い面が上」「AとBは同じ長さ」のように、必要な関係と操作だけを書き込みます。
同じ課題を、関係名、番号付き手順、実物操作、下書きへ変えて試し、正確さと再現しやすさが上がった方法を残します。