バランスでは天秤を釣り合わせる図形を選ぶ
WAIS-IVの「バランス」は、釣り合った天秤に置かれた図形の種類と個数を見て、別の天秤を釣り合わせる選択肢を制限時間内に選ぶ課題です。同じ図形を同じ重さとして扱い、左右が等しいという関係から、空所に必要な重さを導きます。
日本版WAIS-IVでは、16〜69歳に使う知覚推理指標(PRI)の補助検査です。通常は積木模様・行列推理・パズルからPRIを算出するため、結果表に評価点があっても、PRIやFSIQの算出に使われていない場合があります。
バランスの得点に表れる力
得点が高い場合は、複数の条件から「何と何が同じ量か」を捉え、その関係を別の条件へ置き換えて答えを導く力が強みとして表れています。いくつかの制約を同時に満たす組み合わせを考える、途中で得た関係を次の判断へ使う場面に近い処理です。
得点が低い場合は、一つの天秤の関係は分かっても別の天秤へ置き換えにくい、図形の個数を含めて量として扱いにくい、複数の条件をつなぐ途中で関係が曖昧になる、といった形があります。答えのひらめきより、与えられた条件を崩さずに組み合わせる場面で負荷がかかりやすいと読めます。
「算数」よりバランスが目立って高い場合は、口頭の文章を保って暗算する形式より、数量関係を図で捉える形式で力を出しやすいと考えられます。「行列推理」よりバランスが目立って低い場合は、図形の変化規則を見つけることより、複数の等価関係から量を導く場面で負荷がかかりやすいと読めます。結果全体の読み方はWAIS結果の見方で説明しています。
行列推理・算数との違い
| 下位検査 | 情報の示され方 | 直接求められること |
|---|---|---|
| バランス | 天秤と図形 | 等価関係から未知の量を導く |
| 行列推理 | 図形の行列・系列 | 配置や変化から規則を見つける |
| 算数 | 口頭の数量問題 | 問題を保持し、数量関係を式へ置き換えて暗算する |
BrainTypeIQの天秤推理との共通点
BrainTypeIQの天秤推理も、釣り合った天秤から図形の重さの関係を見つけ、空所に必要な図形を選ぶ課題です。同じ形・色は同じ重さとして扱い、示された複数の条件から未知の関係を導きます。
BrainTypeIQでは天秤推理を行列推理と組み合わせ、示された等価関係から答えを導く力と、規則自体を発見する力の両方から流動性推理を捉えます。米国版WAIS-5ではFigure Weightsは流動性推理の主要下位検査になっています。版全体の変更はWAIS-IVとWAIS-5の違いで確認できます。