単語では言葉の意味を自分の言葉で定義する
WAIS-IVの「単語」は、提示された言葉の意味を口頭で説明する課題です。選択肢から正解を選ぶのではなく、その語が何を表すのかを自分で定義します。
日本版WAIS-IVでは、「類似」「知識」とともに、言語理解指標(VCI)を構成する基本検査です。言葉を見聞きしたことがあるだけでなく、その意味を取り出し、相手に伝わる説明へまとめるところまでが課題になります。
辞書の文章をそのまま再現する必要はありません。評価の中心は、語の中心的な意味を捉え、定義に必要な内容を十分に説明できているかです。使われる場面や関連するものを挙げるだけの回答と、その語自体の意味を説明する回答では、示している理解の深さが違います。
単語の得点に表れる力
得点が高い場合は、幅広い言葉の意味を正確に持ち、質問に応じて中心的な語義を取り出し、簡潔な定義へまとめる力が強みとして表れています。文章の微妙な意味の違いを読み取る、目的に合う言葉を選ぶ、新しい概念を既知の語彙と結びつけて理解する場面を支える力です。
得点が低い場合は、知らない言葉が多い、関連する場面は思い浮かんでも中心的な意味が曖昧、意味は分かっていても定義としてまとまらない、といった形があります。文脈の中では何となく理解できても、似た言葉との違いを正確に捉えたり、自分の言葉で説明したりする場面で負荷がかかりやすいと読めます。
「類似」より単語が目立って低い場合は、複数の内容から共通点を考えることより、個々の言葉を精密に理解し、適切な表現として取り出す場面で負荷がかかりやすいと考えられます。結果全体の読み方はWAIS結果の見方で説明しています。
類似・知識との違い
「単語」「類似」「知識」は、いずれも身につけた言葉や意味知識を使います。違うのは、その知識を使って最終的に何を答えるかです。
| 下位検査 | 直接求められること | 中心となる処理 |
|---|---|---|
| 単語 | 一つの言葉の意味を説明する | 語彙知識の取り出し、意味の精度、定義としての言語表現 |
| 類似 | 二つの言葉の共通点を説明する | 共通する要点を上位概念へまとめる |
| 知識 | 一般的な事実について答える | 蓄積した一般知識の取り出し |
BrainTypeIQの語彙(反意語)は意味の弁別に焦点
BrainTypeIQの語彙(反意語)は、提示された語に対して、最も適切な反意語を選択肢から選ぶ課題です。
WAIS-IVの「単語」は、一語の意味を自由回答で定義します。BrainTypeIQの語彙(反意語)は、定義文を作る負荷を小さくし、同義語や関連語に引っ張られず、反意関係を正確に見分ける語義の精密さに焦点を当てています。