BrainTypeIQ
テスト脳タイプレポート資料
資料·2026-03-15 / 更新: 2026-09-02

ADHDのIQ・WAIS傾向

ADHDのWAISで最も一貫しているのは、ワーキングメモリが集団平均で少し低い傾向です。PSIは一律に低くなく、日常では注意の途切れや中断による遂行の揺れが目立ちます。検査結果を、理解・保持・着手・速度・出力の負荷へつなげて読み解きます。

目次
  1. 01ADHDのIQ・WAISは平均域で、WMIがやや低い
  2. 02PSIは一律に低くなく、遂行のばらつきが表れやすい
  3. 03WAISが平均でも、日常の実行は安定しないことがある
  4. 04ADHDのWAIS結果は、得点と困難が起きる条件をつなげて読む
  5. 05BrainTypeIQでIQと認知の凹凸を測る

ADHDのIQ・WAISは平均域で、WMIがやや低い

ADHD群の総合IQ、言語理解、推理、ワーキングメモリ、処理速度はいずれも平均域です。その中で最も一貫しているのが、ワーキングメモリ(WMI)の小幅な低下です。成人のWMI平均は95.2、子どもは93.7で、標準平均の100より4〜6点ほど低い結果でした(WAIS-IV・WISC-Vのメタ分析)。

同じメタ分析で、成人ADHD群の平均は総合IQ98.4、言語理解102.1、知覚推理99.7でした。ADHDの人のIQは低い範囲から高い範囲まで分布し、高い言語理解や推理能力とも両立します。

WMIの小幅な低下は群平均の傾向であり、個人に共通する固定的な得点パターンではありません。WMIが表す保持・操作とADHDの関係はADHDとワーキングメモリで詳しく説明しています。

PSIは一律に低くなく、遂行のばらつきが表れやすい

成人ADHD群の処理速度(PSI)は平均96.2、子どもは92.3で、どちらも平均域です。成人ではPSIが推理より明確に低い本人内弱点ではなく、子どもでも流動性推理との有意な差は確認されていません。ADHDだからPSIが低いとは限りません。

一方、ADHDの遂行では、いつも遅いことより速さが試行ごとに安定しにくいことが目立ちます。反応時間を扱ったメタ分析では、ADHD群は試行間のばらつきが大きく、そのばらつきを調整すると平均反応時間の遅さは残りませんでした(反応時間変動性のメタ分析)。

反応時間のばらつきとWAISのPSIは別の測定です。PSIが平均でも、仕事や学習では速く進む時間と止まる時間の差が大きいことがあります。PSIが低い場合の読み分けと、停止・再開・やり直しを減らす方法はADHDと処理速度で扱っています。

WAISが平均でも、日常の実行は安定しないことがある

WAISでは、検査者が課題を一つずつ提示し、開始と終了を管理します。日常では、自分で目標を決めて着手し、割り込みから戻り、期限まで進み具合を管理しなければなりません。

そのため、WMIやPSIが平均域でも、注意が入力途中で外れる、作業開始までに時間がかかる、中断後に現在地を見失う、一定のペースを保てない、期限までに完了できないといった困難は起こります。WAISが平均であることと、日常の実行が安定していることは同じではありません。

IQの凹凸と日常での落差がどうつながるかはIQの凹凸と発達障害の関係で説明しています。

ADHDのWAIS結果は、得点と困難が起きる条件をつなげて読む

WAISの結果は、保持・着手・再開・出力のどこで実行が不安定になるかを考える材料になります。

結果確認する条件
WMIが本人内で低い複数の口頭指示、途中結果の保持、中断後の再開
PSIが本人内で低い視覚探索、転記・照合、筆記、時間制限
WMI・PSIとも平均域着手、優先順位づけ、ペースの変動、割り込み、期限までの完了
左右にスクロールできます

まず同年齢集団の中での得点水準を確認し、次に本人のほかの能力との相対差を見ます。そのうえで、日常のどの条件で同じ負荷が起きているかを照らし合わせます。指標差や下位検査の詳しい見方はWAIS結果の見方で扱っています。

この読み方によって、平均値や得点差だけで終わらず、保持・着手・再開・出力のどこで支援や環境調整が必要かを具体化できます。

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