2,000件を超える完了履歴から、841人を比較基準にした
BrainTypeIQ日本語版は、正答数を単純に平均100へ合わせているわけではありません。日本語版で蓄積した2,000件を超える完了履歴から、回答状況や重複受検を確認し、分析条件を満たす初回完了者841人で9科目の換算表を作りました。
さらに、841人を学習用70%と検証用30%へ分ける手続きを100回繰り返し、学習に使っていない側でも得点分布と年齢帯のバランスが保たれるか確認しました。
| 検証した内容 | 結果 |
|---|---|
| 分割方法 | 年齢層を保った70%/30% |
| 繰り返し回数 | 100回 |
| 18〜54歳の検証側・総合IQ平均 | 103.14 |
| 18〜54歳の検証側・総合IQ標準偏差 | 14.41 |
| 4年齢帯の平均値に残った最大差 | 3.77点 |
一度だけ都合よく分かれたデータではなく、100通りの分け方で同じ換算手順を検証したことが、日本語版ノーミングの中心です。
ノーミングは、正答数を比較可能なIQへ変える工程
ノーミングとは、受検者の素点を、基準となる集団の中での位置へ換算することです。
同じ20問正解でも、問題の難しさや比較相手が違えば意味は変わります。IQ100、上位10%、IQ130といった表示には、誰のデータと比べ、素点をどのような尺度へ変えたかが必要です。
BrainTypeIQでは、次の順序で得点を作ります。
- 9科目それぞれを採点する
- 841人の素点分布から、科目ごとの位置を共通尺度へ換算する
- 年齢情報がある場合は、能力領域ごとの年齢傾向を反映する
- 科目スコアから5領域、GAI、CPI、総合IQを算出する
科目スコアから総合IQを作る合成方法は、スコアの算出方法で公開しています。ノーミング、信頼性、妥当性の違いは、IQテストの測定品質で確認できます。
比較基準へ入れるデータの品質をそろえた
完了件数をそのまま基準へ入れると、同じ人の再受検、異なる版の結果、通常の受検条件から外れたデータが混ざり、現在の受検者と公平に比較しにくくなります。
そこでBrainTypeIQでは、現行9科目を完了した受検データについて、回答状況、受検履歴、使用した問題と採点条件を確認し、比較基準に使える初回受検へ絞りました。人数を多く見せることより、同じ条件で初めて受けた人同士を比べられることを優先しています。
この品質確認を通過した841人は、信頼性指標の分析にも共通して使用しています。そのため、比較基準と得点精度を同じ対象者データから一貫して確認できます。
年齢補正は18〜54歳の739人を中心に作った
年齢によって得点傾向が変わる能力については、18〜54歳の739人を中核として補正量を推定しました。
- Gc(結晶性知能)は年齢補正を0とする
- Gf、Gv、Gwm、Gsは、データで確認した年齢傾向を反映する
- 性別、学歴、居住国による個別補正は行わない
- 年齢情報がない場合は補正しない
18歳未満と55歳以上にも結果は表示されますが、年齢補正は18〜54歳のデータを中心に設計しています。年齢による知能の変化そのものは、知能と加齢で扱っています。
100回の分割検証で年齢帯の安定性を確認した
検証では、841人を年齢層の構成が崩れないように70%と30%へ分けました。
- 70%側だけで9科目の換算を作る
- 18〜54歳の70%側だけで年齢モデルを作る
- 完成した換算を、学習に使っていない30%側へ適用する
- 総合IQの平均、標準偏差、年齢帯ごとの平均差を確認する
この手続きを100回繰り返した結果、18〜54歳の検証側における総合IQは平均103.14、標準偏差14.41でした。4つの年齢帯の平均値に残った最大差は3.77点で、年齢帯によって総合IQが大きく偏る状態は見られませんでした。
3.77点は、個人のIQに含まれる測定誤差ではなく、検証データに残った年齢帯平均との差です。個人の得点精度は、BrainTypeIQの信頼性指標でSEM約4.0点として別に示しています。
この比較基準が表すもの
BrainTypeIQのIQとパーセンタイルは、日本語版をオンラインで完了した参照集団に基づく標準スコアです。日本全国から無作為抽出した人口調査の順位ではありません。
また、正式WAISとは問題、実施条件、比較基準、得点の作り方が異なります。BrainTypeIQのノーミングは、日本語のオンラインIQテストとして、受検者が自分の総合IQと認知プロファイルを比較できる基準を作るためのものです。
完了件数をそのまま使わず、条件をそろえた841人へ絞ったこと。年齢情報を加味した換算を作ったこと。そして未使用側へ適用する検証を100回繰り返したこと。この3点によって、BrainTypeIQ日本語版の比較基準を支えています。